●物流担当者の皆様には釈迦に説法かもしれませんが・・・物流業務の品質を測る指標として、業務上流工程から、下流工程に至るまでに様々な項目をKPIとしてを設定することができます。下表はその一例です。
では、どんなレベルの数値を目標にすればよいでしょうか?
●世の中にはこのKPIを表現する様々は単位があります。
最もよく使われるのは「パーセンテージ(%)」。
その次に物流業界でよく使われるのが「ppm」。ppmは100分の1を意味しますので、10ppmというはの10万分の1のことです。
例えば、「誤出荷率」を10ppm以下に設定した場合は、10万件出荷して、誤出荷が1件という凄まじく精度の高い業務となります。
それぞれ作業内容や頻度、作業としての難易度は異なりますが、物流業界の中ではこの「10ppm」という目標数値を掲げ、それに向けて業務改善や改革に取り組んでいる企業が多く存在します。
●数値目標として、「6σ(シックスシグマ)」を目指す業界もあります。
このシックス・シグマとは、1980年代に米モトローラが開発した品質管理手法、または経営手法の称号ですが、元は正規分布における「標準偏差」が±6σを意味し、これを%にすると99.99966%。例えば順守率を6σを目標にするということは、100万回のうちミスは3.4回という事になります。これは航空機関連や医療関係などでよく使われる数値です。
●また、「99.999%」 通称ファイブ・ナインの数値を掲げている分野もあります。
例えば順守率を99.999%にするという事は、10万回のうちミスは1回という事になります。これは主にサーバーなどのシステム系において、ミスなく稼働していることを示す「可用性」を表す場合などに使われる数値です。
【目指すべきは10ppm】
●人の手が介在することが多く、工業製品の生産ラインとことなり様々な変数が存在する物流現場において、ファイブ・ナインや、シックスシグマを目指すのは至難の業であり、酷なことだと思います。
ですから結論的に言うと、物流現場は最終目標を「10ppm」にして、それに向けた段階的改善・改革を試行するべきだと思います。ちなみに下表は”「日本物流学会」の研究発表会における「㈱センコー様の資料」” の抜粋です
ここでの発表は
- まずは各拠点の評価を実施する。
- 各拠点における評価を合計し、まずは平均でレベル3を目指す。
- 次にレベル5に到達するための個別具体的な対策を検討する。
- 同時に外部の優れた倉庫などの事例や専門的第三者からの助言を得る。
そして、最終的にはすべての拠点で最高水準レベル5を取得しよう!
といった、宣言に近い内容も書かれています。とても素晴らしいと思います。
●物流担当者の皆様も、当然ながらKPIで日々の業務品質を管理されていることと思いますが、今回の記事をきっかけに既存の目標を見直し、国内の業界トップレベルの品質にチャレンジしてみてはどうでしょうか?
10ppmという数字が如何に難しく、且つ挑戦すること自体に価値があることが、わかっていただけると思います。