物流クイズ(頭の体操)その2

●前回に引き続き、物流クイズ(頭の体操)です。本来予定していたものではなく、本日現場で直面した、ホットな出来事から出題します。物流担当者、特に現場の担当者なら一度はこの問題に直面した事があるはずです 。

先ずはクイズを、レッツトライ!

【ヒント】

●写真を見る限り、「5Sが徹底されていない」とか、「ラックのサイズと商品が合っていない」とか、「商品で棚番号が隠れてしまっている」など、この管理、そもそもどうなの?といったツッコミに近い解答が想像されます。それはまさしくその通りなのですが、今回の正解ではありません。

 今回起こった事象は、棚卸前の会計士による視察において、在庫表と現物の照合確認を行った際に、数量のアンマッチが発生したことがヒントとなります。

※あるべき商品が、一段ずれた場所に格納されていました。

 さて、いかがでしょうか? 

【正解】

●正解は、「棚番号が上下どちらの板(ロケーション)を表示しているかが判らない」状態であるということです。

 棚番号に振り方、ロケーション番号の振り方は、ある一定の規則にのっとって附番されますが、現場によっては同じ会社であっても規則が異なる場合があります。そして、今回の棚番号についても、必ずしもその上の板(ロケ)を表示するとは限りません。

 その倉庫での作業をある一定時間こなしてきた作業員であれば、間違うことはなくても、例えば派遣社員として初めて来た作業員などは、作業前の導入教育をしっかりやっても間違いを引き起こすものです。

 

【対策】

●このような、作業員の間違いを起こさない現場の工夫としては、例えば棚番号が上下どちらさしているのかを矢印をつけるという方法があります。(上の正解の写真)

 そうすることで、作業員は上下どちらかの判断をすることなく作業をすすめることができます。倉庫作業は大半は人間が行う作業ですので、思いもよらないミスが発生します。

 例えば今回紹介した棚入れの場合も、目の前の指定された棚番に入れるつもりが、隣の棚に格納したり、作業員の背中側、反対側の棚に格納したり、信じられない行動を引き起こすものです。

 そういった場合、本人が今この棚に商品を格納していることを意識付けるために、赤いマグネットを棚につけてから作業をさせる現場もあります。(作業効率が良いかどうかは別問題として)

 物流担当者にとって、一度は必ず直面する業務上の課題であり、それぞれの現場でそれぞれの改善方法を考案されていると思います。今後、そういった改善策をご紹介していきたいと思います。

【余談】

●今回の現場は、初めて会計士による視察がおこなわれたのですが、通常25件程度のサンプルチェックするところを、会計士が指定した「ここと、あそこ」の、わずか5件のサンプルチェックで在庫管理の不備を指摘されてしまいました。

 若い先生ではありましたが、ここが怪しいという嗅覚は流石だと、感服した一日でありました。

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