物流子会社とは?その3 (外販について)

筆者は現在某大手百貨店の物流子会社に出向している。そしてグループにおける当社の存在する意味、価値を常に考えている。しかし、なかなか答えは見つからない・・・・。

今回は外に打って出る物流、外販について考える。

当社、百貨店物流の強み・ノウハウは?

●外販をするからには物流会社としての特徴、強みをもっていることが重要である。

イメージとして百貨店物流であるから、あらゆる商品の取り扱いを知っていることが強みではあるが、世間的な見方、荷主からの評価としては、食品物流・温度帯物流に強い、というイメージが強い。

中元や歳暮の贈答品も、贈り物のメインはやはり食品であるためにそう思われているのであろう。当然、温度帯や生鮮産品をあつかっている店舗の物流機能部分はHACCP(ハッサプ)を意識したオペレーションを実施しているが、物流センターの方は意外にもドライ商品が多く、食品も常温対応が多い。

ここでマーケティングとしてはギャップが発生している。

百貨店物流の強み・ノウハウは繁忙期の波動吸収。

●また、丁寧な梱包と贈答シーズンのハイベロシティーへの対応力といったことから、ギフト物流に関する問い合わせも多い。

ただし、親本体の物量がピークの時と重なるため、あまり対応していない。そもそも百貨店の物流会社というのは、というよりは当社の物流センターをはじめとするファシリティーやマテハンはこの中元や歳暮の繁忙期のピークに合わせたスペックになっている。

なので、同じ波動の商材は対応ができないのである。

ファシリティーの設定レベル

下図のように、百貨店物流、特に物流センターは中元や歳暮などの贈答品のピーク、波動曲線の頂点に合わせて、センターの広さ、マテハンなどの機器・機材の設定をしている。

常に波動のピークを想定した設定になのである。これがハイベロシティーへの対応を可能にしている理由である。

閑散期においては、当然人員数の調整はすれども、センターは空きスペース(空坪)が目立つ。大げさに言うと、繁忙期を100とすると閑散期は40で2.5倍のボラティリティ・変動がある。

よって、外販をするのはこの波動をうまく打ち消す逆波動の商材をうまく当てはめるか、もしくはスポットで短期保管やスポットの流通加工商材を取得する事が望ましい。しかしながら、千件の案件で成約は三件、いわゆる「千三つ」と言われている物流営業の世界において、そんなにうまく商材を獲得できるのであろうか?

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●物流子会社としての役割は、グループに対する利益貢献でもある。与えられたファシリティーを超越したところで商売をすることが、果たして本来の物流子会社の役割なのか?

次回はその部分に触れていいきたい。

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